ちりばめたプリズム

瞬くたび光るように

私の推しの話を聞いてください

 高屋蒼(たかやあおい)くん 24歳。職業、アイドル。
私の推しです。

 

 蒼くんは5人組アイドルグループのメンバー。デビューして5年。私が蒼くんと出逢ったのは蒼くんが21歳、私が今の蒼くんと同じ24歳の春でした。


 当時の私は地元の専門学校を卒業後上京し、社会人として働き始めて3年目に入ったところでした。上京してきた理由は専門学生時代大好きなヴィジュアル系バンドがいて、その人たちのライブに通うためでした。でもバンドは私が上京した年の夏、あっさり解散。好きだったメンバーは地元に戻ると言っていました。
ここにいる理由もないので私も地元に帰ります、なんて言えるわけもなく、いるわけもない赤髪の彼の姿を探しながら東京で1人なんの目標も無く生きていました。


 そして迎えた社会人3年目。初めて後輩ができ、先輩となった私は自分の業務と後輩指導で1年目ほどではないにしても毎日へとへとになりながら働いていた。残業し、帰宅が深夜になったある金曜日。やってられんわ……と帰りに寄ったコンビニで買ったビールを開けてテレビをつける。最初についたのは音楽番組で、今話題の女性シンガーが歌っていた。まあ私はこの時初めて知ったんですけど。話題になるだけあっていい曲じゃん、とビールを数口飲んだところでスーパーで買った消費期限が昨日までの唐揚げが冷蔵庫に入っていることを思い出した。こんな時間にとも思ったけれど今食べなきゃ捨てるだけだしビール飲んでるし今更だよね、と唐揚げを取りに行く。
 冷蔵庫から出した唐揚げを温めている最中ふとテレビを見ると赤髪の男性が目に入った。
私の好きだったバンドマンは赤髪だった。赤髪には無条件で反応してしまう私はテレビの前に飛んでいった。
「アイドル……」
それが私と蒼くん、そしてespoir(エスポワール)との出逢いでした。


 テレビに映っていたのは5人の若い男の子たちで白タキシードのような衣装を着てラブソングを歌っていた。赤髪の彼から目を離せなかった。歌い終わり、女性アナウンサーの「espoirのみなさんありがとうございましたー!」という言葉で彼らのグループ名を知った。電子レンジが何度もピーピー鳴っていたが無視をしてスマホで彼らのことを検索しているうちに唐揚げの存在はすっかり忘れ去っていた。


 espoirという平均年齢22歳の5人組アイドルグループだということ。espoirはフランス語で希望を表すこと。デビュー2年目だということ。歌っていた曲はニューシングルの「DEAR.」という曲だということ。
メンバーは24歳のリーダー春那くん、同じく24歳の永斗くん、22歳の千秋くん、21歳の蒼くん、19歳の諒くん。赤髪の子の名前は春那くんだということ。春那くんとシンメなのが蒼くんだということ。ちなみにシンメの意味はこの時初めて知った。
通っていたバンドが解散してから殆ど使っていなかったTwitterでうっかり「espoirかっこいい 気になる」とツイートしてしまい、ファンの子たちからRTとふぁぼと「ありがとうございます!」「一昨日シングル発売しましたよ!」なんかのリプがポコポコ届いて怯えたっけ。
 通販サイトでDEAR.の初回盤をカートに入れるとオススメ商品として通常盤、アイドル雑誌、コンサートDVDが表示され、それらも全てカートに入れた。当時は必要最低限のものしか買っていなかったからそこそこ貯金はあった。まぁ、今はお察しくださいという感じだけど。
 この時は春那くんが気になっていた。理由は赤髪だからで、申し訳ないけれど他の4人のことはあまり覚えていなかった。


 そこからの日々は凄かった。翌日早くも深夜にポチった商品が全て届いた。DEAR.を聴き、コンサートDVDを観て、アイドル雑誌を読むと夕方になっていた。通常盤に入っていた「明日はきっと」という曲が凄く良くて買ってよかったと思ったことを覚えている。その曲は今も私の大好きな曲だ。

 そして私は蒼くんのことが好きになっていた。

だって春那くんを見ていると絶対隣にいるんだもん。シンメってのもあるけど蒼くんは春那くんにすごく懐いていたから。MVのメイキングでは「春那くんお腹すいた〜」と後ろから抱きつきお腹に手を回していたり。春那くんは「くすぐってーからやめろ!」と笑って逃げていたけど。コンサートのMCでは「昨日福岡ついてから春那くんとご飯行きたかったのに置いてかれた!」と詰め寄り、「だって蒼は水炊きが食いたかったんだろ? 俺と諒はラーメン食べたかったんだからさ〜」とあしらわれていたけど。ちなみにその後は「そういうことじゃないんだよね。オレは春那くんと行きたかったんだから食べるものはなんでもいいんだよね」と言ってファンの子たちはキャー! と叫んでいた。蒼くんはすごく可愛かった。でもそれだけが蒼くんのファンになった理由じゃなくて。アイドル雑誌の「my history」というロングインタビューを読んだことが1番の理由かな。my history不定期でやっていたインタビュアーとアイドル1対1で自分の歴史を話すロングインタビューで。深夜にポチったアイドル雑誌に載っていたのが蒼くんの回だった。蒼くんはそこで小さい頃の話、アイドルを目指したきっかけ、グループのこと、春那くんのことを話していた。冒頭で「あんまり自分のこと話すの得意じゃないんだけどね」と言っていたのに沢山話していた蒼くん。私は蒼くんのことを知って24時間も経っていないのにも関わらず泣きながらインタビューを読んでいた。
 


 蒼くんのことを好きになってから3年経った今日、蒼くんの好きなところを蒼くんの年の数だけ言っていこうと思う。

 


1.犬顔でかわいい。目が大きくてかわいい。

2.黒髪ゆるふわパーマかわいい。蒼くんはあんまり髪型変えないね。

3.175cmとすごく大きいわけでも小さいわけでもないそれなりの身長の蒼くんかわいい。私が知った21歳の頃からあまり変わらないよね。 

4.幼稚園生の頃はみんなのリーダーみたいになっていた(らしい)のに今はメンバーに甘えっぱなしのところ。

5.それでもやる時はちゃんとやるし最年少の諒くんに対してはお兄ちゃんなところ。

6.でも諒くんは弟と妹がいるリアルお兄ちゃんだからあんまり年上っぽく振る舞えないところ。蒼くん自身はお姉さんが2人いる末っ子なところもかわいい。

7.テレビで観た海外ダンサーがかっこよくて親に「ダンスやりたい!」と言ったら今の事務所と同じ系列のスクールに通うことになった蒼くん。思ってたのと違うなと思ったけど真面目にレッスンしてきたところ。そのおかげでダンスがかなり上手なところ。

8.歌はそんなに上手くなくてボイトレに沢山通っていたところ。私が好きになった頃は本人も言っていたことがあるけど歌は上手くなかった。でも千秋くんみたいに上手くなりたくて隠れてボイトレに通ったらしい。なんか上手くなったなと思っていたあたりの雑誌のインタビューで「実はボイトレに通ってる」と話してメンバーを驚かせていた。

9.コンサートのMCでたまにちゃんと機能するところ。ボケでもツッコミでもなくぽや〜っとしている蒼くんだけどたまーーに「で、永斗くんは何が言いたいの?」とか「春那くんが言いたいのはこういうことでしょ?」なんて言うこともあって笑いがおきたり納得の「あ〜(笑)」という声があがったりするところがまわりを見てるんだなと思えて好き。

10.蒼くんが中学生の頃、保健室登校をしていたクラスの女の子がアイドルを好きになったことがきっかけでこの人たちに会いたいけど勉強もちゃんとしないと恥ずかしくて会えない、と教室に来るようになった……ということがあったらしい。自分もアイドルになれば誰かを笑顔にできるのかもしれない、とダンスを習っていたこともあって今の事務所に履歴書を送ったことがアイドルになったきっかけ、なところ。は〜? 出来過ぎでしょ。なんていい子なんだろう。

11.ゲームがめちゃくちゃ下手くそなところ。これは不定期配信されてる公式動画の【蒼の弱点!】の回で知った。シューティングゲームもアクションゲームもパズルゲームもレースゲームも下手くそで愛おしかったな。でもリズムゲームは上手くてそこは流石だった(笑)

12.メンバーカラーがピンクなところ。まあ、合ってると思う。でも蒼くんは「名前にあおが入ってるのにメンバーカラー青じゃないの意味わかんない」と言っていたことがあったらしい。春那くんが青だから「逆でしょ!」って。まあ、春ってピンクのイメージあるしね。

13.視力があんまり良くないからお家では眼鏡なところ。黒縁眼鏡かわいい。これはよくブログで見る。

14.女装が似合うところ。バラエティ番組で披露したガチ女装が本当に似合っててTwitterでバズった蒼くん。それがきっかけでたまに女装させられるしバズったときの写真がよく使われるけど本人はあんまり……なのがまたね。かわいいのにね。

15.自分のファンにだけファンサするところ。自分の団扇が目に入ったら絶対何かしらしてくれる。「ハートつくって♡」の団扇を見せたら「えー( ´Д`)」って顔をしてから笑ってハートの片側を作ってくれたことがあったな。距離があったけど私がもう片方のハートを作ったらウンウン、って頷いてくれたっけ。あとは「君だけだよ」って歌詞で指差してくれたり。これは勘違いかもしれないけど。

16.女の噂がないところ。24歳だし相手はいるんだろうけどうまーく隠してくれてるところ。永斗くんもこうだと……嬉しいですけどね……。

17.ドラマに出たいと言い続けて本当に出演が決まるところ。それも人気俳優とW主演で、主題歌までespoirで。「君に届かない」いい曲だよね。あのCD何枚買ったかは内緒です。

18.動物が好きなところ。実家で飼ってるチワワのさくらちゃんと保護猫だという雑種のヒマちゃんの写真がよくブログにあがる。親御さん→蒼くん→私たちの順で回されている。でも蒼くんはあまり実家に帰らないからヒマちゃんに懐かれてないのがまたかわいい。蒼くんからの愛は常に一方通行。

19.料理するところ。一人暮らしを始めた頃から週一で料理することを目標にしていたみたいで真面目か。最初の頃は大体煮卵……というか味玉かサラダチキンばかり作っていてタンパク質めっちゃ摂るじゃんとファンは笑っていたけど最近はパスタとかカレーとか作ってる。成長。でも主食はアイスクリーム。コラ。

20.ピアスを開けたいけど怖くて開けられないところ。「あと運命変わりたくないし」。いや変わらんよ。

21.アイドル高屋蒼を大事にしてるところ。高校卒業後の進路をどうするか悩んだ時、蒼くんはアイドルの仕事を優先したいと大学には進まなかった。「勉強はいくつになってもできるから今はアイドルの仕事をしたい」と。この時はespoir結成前で今後どうなるか分からないのに。それなのに。

22.春那くんのことが好きなところ。espoirを組むずーっと昔、蒼くんには同い年の祐葉くんというシンメがいた。入所時期も同じで仲が良かった上にシンメで、2人でデビューしたいと話していた。でも祐葉くんは辞めてしまった。蒼くんは祐葉くん以外のシンメは考えられないとずっと思っていたみたいで。そんな時にespoirが結成され、春那くんがシンメとなった。全然心を開かない19歳の蒼くんに春那くんは頻繁にご飯に誘ったり話をしたりした結果、春那くん大好きべったりになった、らしい。念願のデビューだけどespoirのことが最初は好きじゃなかった蒼くんを変えた強くて優しい春那くん、蒼くんを甘えさせてくれてありがとう。アオハルシンメ最高だよ。

23.ファンが好きなところ。「オレが頑張れるのはみんながいるから。みんなが思っている以上にみんなからの応援はオレの力になってるよ。オレはみんながいないと何もできない。いつも応援してくれてありがとう。ファンレターも読んでるよ。意見等は反映させていくので今後の活動もみてください(笑)」(雑誌voyageのNEXT.DOORより)

24.今日この日まで私の1番だったこと。蒼くんはmy historyの最後にこう言っていた。「誰かの1番になりたい。誰かの1番になれるようにオレはこれからもespoirの高屋蒼として頑張るよ」と。

 

 


蒼くん。蒼くんと出逢った3年前のあの日から蒼くんはずっと私の1番でした。
辞めようと思っていた仕事をなんとか続けてこれて今年昇進しました。蒼くんが頑張っている姿を見て私も頑張らなくちゃと思えました。

持ち物にピンク色のものが増えました。ピンクの物なんて持ったことほとんど無かったのに今では鞄も財布もスマホケースもキーケースも蒼くんのピンク色です。

あの日沢山反応がきて怖かったTwitterのアカウントでちまちま曲や雑誌の感想をツイートしていたらあの後もファンの子が反応をくれて仲良くなりました。一緒にコンサートに行ったりロケ地巡りをしたり、espoir関係なく飲みに行ったりお家にお泊りするくらい仲良い友達もできました。この年で新しい友達ができるなんて思わなかったな。蒼くんのおかげです。

蒼くんが公式動画やブログ、テレビ、コンサートで楽しそうにしていると私も嬉しかったです。でも悔しいとか悲しいとか辛いとか、そういう顔はファンの前では絶対に見せないから、蒼くん大丈夫かなって思うこともよくありました。そういうプロ意識が高いところも好きでした。あ、これ25個目ですね(笑)
本当はもっとあります。でもキリがないからやめておきます。

 


高屋蒼くん。espoirの高屋蒼くん。さようなら。
私はあなたのファンでいれて幸せでした。最後まで幸せをありがとう。

 


卒業おめでとう。