ちりばめたプリズム

瞬くたび光るように

1年4ヶ月ぶりの現場の話


2021年5月8日 18時
セキスイハイムスーパーアリーナ SixTONES on eST
私にとって1年4ヶ月ぶりの生のコンサートでした。

最後の生のコンサートは2020年1月7日の横浜アリーナであったTrackONE IMPACT。デビュー直前のSixTONESのコンサートでした。その後入る予定だったジャニーズWESTNEWSのコンサートも全て中止になり、2020年のコンサートは全て配信になってしまいました。
配信でも楽しかったんです。いつもはチケットが取れないグループのコンサートが見れたり、連番予定だった友達と一緒に見たり。休みが取れなくても仕事が終わってから見たり、逆に見てから仕事に行ったり、着てるものがスウェットでも許されたり、ベラベラ喋りながら見ても誰にも迷惑がかからなかったり。無観客生配信でも満足していました。

 

でもやっぱり生は画面越しよりずっとずっと楽しかった。
当たり前だけどね。
ずーっと楽しかった。1年8ヶ月ぶりのセキスイ。毎年春になると絶対に来ていたセキスイに来れたことがまず嬉しかった。
チケット発券までの手順は増えているけど今までと変わりなく発券して、お〜なるほどこの席か〜って席を目指して歩いてえっ近いな……?ってなって。シールドを付けて、あまり必要性がない席だったけど一応防振双眼鏡を準備して、シールドの上から押し付けてみて。 開演前のアナウンスにすら懐かしさを覚えた。
開演数分前からちらほらと赤だの青だのメンバーカラーのペンライトの光が灯り始めて、客電が落ちてザワッとなる。今までなら歓声が上がっていたけどザワッとね。 あぁ、最初のコンサートが始まった、と思った。
ペンライトの光で埋め尽くされた客席を見てコンサートに来たなぁ、私はこれを待っていたんだなぁとか、そういうことをぼんやり思った。コンサートに集中しろ。
特効の熱さにこれこれ〜!!って興奮したり、何よりね、足元が揺れるんだ。
音で?人の揺れ?わからん。分からないけど揺れるじゃん。揺れない?生でしか得られないものだなぁ、来たなぁ、って実感して嬉しくなった。
MCで「熱気すごい!」「サングラス曇った!」って言ってて、これも有観客ならではなのかなと思った。どうなんだろ。


メンステにも外周にも近い席で、何度もメンバーがすぐ近くまで来た。
い、いる〜!すぐそこにいる〜!って夢みたいだったんだよね。現実か?って思ったもんね。
こういう状況下になるまでは何回もコンサートに行ってるしアイドルが近くに来たこともあるんだけど、何回も見てるから“テレビの中の人“っていう感覚は薄かった。でも今回数年ぶりに「テレビの中の人が今、私の数m先にいるんだが……!??!?!」って感情が沸いた。そうだよね、コンサートってテレビの中の人を生で見れる貴重な機会だったんだよね。
楽しかったな。

 

私がオタクになった時からコンサートに行くことは当たり前のことだった。
自名義はほぼ毎回仕事をしたし、毎回友達と協力して多ステしていた。2019年はめちゃくちゃ元気で、地元から離れた土地まで赴いてコンサートを楽しんで「じゃあまた3週間後に××で!」ってこれまた地元から離れた土地で会う約束をして別れることが何度かあった。
アイドルに会えるのが当たり前のことすぎてありがたみがだいぶ薄れていた。
行けるのは当たり前。ペンライトの光も見慣れてるし、揺れなんて気にしない。
でも全部当たり前じゃなくなって、中止になることも多い中の開催はやっぱり夢みたいだったな。

 

私にとって【コンサート】は春の季語。春にはコンサートツアーがあって、それは当たり前に行けるもので、コンサートに行かないと春じゃないと思っている。だから2020年は私には春が来なかった。
春が来なくてもそれなりに元気に過ごしていたし、別の楽しいことを見つけてそこに没頭していたけど今思うとジャニオタの私は生きてなかったなぁって。
NEWSもSixTONESもWESTも毎週テレビなりラジオなりYouTubeなり供給があったし楽しんでいたけどそれはそれとして、やっぱりね〜コンサートがあるのとないのじゃ違うよね。

 

行くかどうかはすごく迷った。実家に住んでいてリモートワークができない仕事をしているから感染なんてしたら。現に近くの市ではクラスターが発生していたし、職場でも何度も遠くに遊びに行かないように、感染しないようにと言われていたので。
それでもみんなが対策をして行っていることが分かっていたから感染対策をして、接触する人数と時間を最小限にして行った。行かなかったら後悔するって分かってたから行った。
行って良かったよ。だからみんな言いつけ破ってでも行きなよ!とは思わないし、勧めもしないけど。でもやっぱり行って良かった。
コンサートから帰ってきてから気持ちがすごく元気なんだよね。家に着いてからレポ書いたり読んだりして楽しかったなぁってホクホクして、明日から頑張れそうだなぁって思えた。
コンサートってそういうものだったなぁ。

 

コンサートは私の人生に必要なものだった、ということが分かった。
真っ暗な道をずっと歩いてきた中やっと見つけた一個の光。ここを過ぎたからしばらく光は見えないし、しんどいこともあると思うけどたまに後ろを振り返って光を思い出したりしながら、また次の光が見えるまでゆっくり歩いて行こうと思う。
光にたどり着くまで私もあなたも頑張れたら素敵だね。
おしまい。